SSブログ

日誌68 お祭りちかきのこ/こんこ

走る走る走る。
決して速いとは言えないが、いやにボロボロな格好と相まって妙な迫力をかもし出している。

「どちくしょうがぁぁぁ!!」
ヤケクソ気味に叫ぶ。見るとひび割れてボロボロのパンダ?のおめんの奥でチョッと涙目になってるのがわかる。つまりは気味ではなくヤケクソなのである。

走っている男はこんこという名前のたけきの藩国に仕える剣士である。普段はぼさぼさ頭で目つきが悪く道で歩いていたら人が避けて通りそうな風貌であるが、今はさらに鬼気迫るものがある。
もちろん走ってるのもボロボロなのもヤケクソなのも理由がある。
話は数時間前にさかのぼる。

――――――――――――――――――――

今日はお祭りである。
もともとは地下施設の探索を行うのが目的だったのだが、参加者を見ようと見物人が集まるわ、ここぞとばかりに出店は立ち並ぶわと、すっかりお祭り状態である。
で、その祭りのメインである地下探索にこんこも参加していたわけである。パンダのおめん被って。ちなみにこの男、風貌は怖いが中身は小心者のあがり症であり小動物の感じである。つまり、
(やべぇ、人多いっ!なんでこんなおんのやぁ!)
というわけで見物人があまりにも多いので急遽出店で買ったパンダのおめんを被ってるわけである。

探索隊の責任者であるひわみの合図でいっせいに出発する参加者たち。そんな中こんこも勢いよく走り出す。ただそれは張り切ってというよりも人前での緊張が限界に達したからだったようにも見えた。

地下1階
ご丁寧に入り口に落石注意の看板まで立ってるとおり壁や天井はどことなくモロそうな印象を受ける階である。普通なら慎重に進むべきであるが、スタートの勢いのまま突っ込んでいく。ちなみにあの勢いでは看板は見ていない、というかおめんなんかしてたらまずなにも見えないであろう。そのまま突き進んでいると、

ゴスッ!

と、なんとも痛そうな音を立てて顔面でちょっと大き目の石を受け止める。受け止めた石は割れて落ち、その場で少し立ち止まるもまた走り出す。今度はさっさと走り抜けたほうがいいと判断したためのようだ。だが、

ゴスッ!ガスッ!メキャッ!バキッ!

と体全体で石だか岩だかを受け止めることになる。それでもなんとかボロボロになりながら突き進み階段を見つける。ぐったりしつつ階段に近づいていくとそれまでで一番大きい岩が落ちてくるのが見えた。するとコブシを握り締め、
「いい加減にしろやぁぁぁ!」
と魂の叫びとともに岩をぶち壊して階段を下りていった。

地下2階
地下2階に着くとそこにはちょっとした居住空間が広がっていた。とりあえず一息つきながら歩いていると視線を感じる。辺りを探してみるとここの住人を見つける。どうやら隠れて様子を伺っているようである。それはそれとして見つけた相手が悪かった。子供である。しかも今にも泣きそう。まぁ見つけられたのがこれだけボロボロな上1階でのことからちょっと殺気立ってる人間だったりするのだから道理である。
「いや、あんな・・・・・その・・・・・」
となんとか泣かないよう言い訳してると肩をたたかれる。振り返るとそこにはとても体格のいい人たちが勢ぞろいしていた。とりあえず走ってその場を逃げ出すと、後ろから「まてぇ!」だの「逃がすなぁ!」などの怒声とともに追いかけられる羽目になる。ついでに石まで投げられる。
結局そのまま走り続け、地下3階に向かうこととなった。

地下3階
地下2階の勢いのまま走り抜ける。崩れそうになると飛びつきよじ登り走り続ける。どうやら落ちるより追われるほうが怖いようである。
そのまま地下4階へ。

地下4階
まだ走り続けている。すでに見も心もボロボロではあるが、それでも走り続けている。と、急に地面がなくなり落ちていく。なんとかよじ登り走り出すもまた落ちる。そのまま登る落ちるを繰り返し、「ちくしょう」を47回、「くそー」を23回、「も~いやだー」を14回、「なんで俺が」を5回ほど言ったところで次の階段を見つける。よろよろと走ってるのか歩いてるのかわからない状態で階段に近づいていくと、そのホンの手前で足をつまづき顔面を強打し、意識は闇に沈んでいった・・・・・・

*****************************

なんか一人称だか三人称だかわけのわからん文章になっちゃったなぁ。
次は初日誌のていわいさん。


2007-04-01 20:58  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証: 下の画像に表示されている文字を入力してください。

 

このブログの更新情報が届きます

すでにブログをお持ちの方は[こちら]


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。