日誌64:ペンは変よりも… /ジンジャー
「…ひっく、うぐ」
「ジン、何があっても力で解決しようとしては駄目よ。それではまた別の憎しみを生んでしまうって母さんも言っていたでしょ?」
「ぐす…、でもどうしたらいいかわかんなくてぇ、がまんできなくてぇ…うわあぁぁぁぁぁん」
「たしかにそうね。何でも理想通りにはいかないよね…そうだジン、【ペンは剣よりも強し】って言葉知ってる?簡単に言うと、暴力よりも知識や想いの方が強いんだっていう意味。ジンは頭がいいから、きっと暴力なんかに負けないよう考える事ができるよ」
「う、うん。僕がんばるよ、お姉ちゃん」
ずいぶん昔の夢を見た。
姉さんに久々に会ったからだろうか、なんだか変なフラグが立ちそうだ。縁起でもない。
【ペンは剣よりも強し】…か。
もうだいぶ前のことのような気さえするたけきの藩へのチル200体+αの絨毯爆撃型襲撃。
つい先日、亡命先のFVBで起こったアウドムラの垂直落下突撃。
根源種族の容赦無き力という剣に、わたしは成す術もなくただ怯え戸惑い、逃げる事しかできなかった。
折角新聞社まで設立し自ら編集長となっていても、それでもまだ様々な鎖に囚われていてとても理想通りにはいかない。
ペンは確かに剣よりも強いはずだ。
しかし、わたしにはそれを証明できるほどの能力が無いのだろう。
………………
「きゃー☆♪○◆▽Σ★?!」
外が騒がしい。何か起こったのか?
まさかまた根源種族が!?
「褌ソーックス!!」
「ソーックス!!」
「筋肉褌~」
「褌祭りじゃー!!」
外を走り回る変態の姿。
一部(認めたくは無いが)見知った者もいる。
フッ、フフフフフフッフフフ
あっははははははw
「そうですね、わたしにはまだやる事がありました」
変態共を根絶やしにし、二度と目覚めないように更正させる。
そう、ペンは変よりも強くなければならない。
わたしにできる事から始めよう。
変態撲滅です!!
「変態共よ、今は感謝しますよ」
ジンジャーはいつものメモ帳とペン、そして就職祝いに姉からもらったカメラを持って走り出した。
次は時雨さんの出番です~
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